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ネットショップターゲット絞り込みの勘違い

2020年7月4日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ設計

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■「ネットショップ ターゲットの絞り込みの勘違い」

マーケティングのセオリーにフィリップ・コトラーの提唱した「STP分析」があります。
1)セグメンテーション(Segmentation)
2)ターゲティング(Targeting)
3)ポジショニング(Positioning)
の略です。
このうち
1)のセグメンテーションは市場を細分化して市場の全体像を把握します。
2)のターゲティングでは細分化した中から狙うべき市場を決定します。
ちなみに
3)のポジショニングは競合他社との位置関係を決定、自社の立ち位置を明確にします。
セグメンテーションとターゲティングの分析プロセスを「ターゲットの絞り込み」と
考えることもできます。
このターゲットの絞り込みを行うときには「6R」というフレームワークが便利です。
Realistic scale(十分な規模かどうか)
Rate of growth(成長性)
Rival(競合の状況)、
Rank(優先順位)
Reach(到達可能性)、
Response(測定可能性)
ここでは
Realistic scale(十分な規模かどうか)
Rate of growth(成長性)
について検討していきます。
「十分な規模かどうか?」については、
・市場規模(市場キャパ、ターゲットキーワードの月間平均検索数)
・一人当たりの消費量(消費額や消費期間)
を検討することになります。
ここに「成長性」を付け加えることになりますが、成長性には
・市場成長率が高いか低いか、もしくは衰退しているか
・ターゲットキーワードの拡張性(商品を増やせるか?カテゴリを増やせるか?)
を検討して絞り込んだターゲットの属する市場を分析、判断していきます。
たとえばシニアファッションを考えてみましょう。
70歳以上の人口は2715万人とのことです。(2019年)
購入者はおそらくお子さんが多いと思います。特に娘さんでしょうか。
アイテムはトップス、ズボン、下着、靴下、部屋着、パジャマ等、多くのカテゴリキーワードがあります。
この辺はカテゴリターゲットキーワードの拡張性が高いと言えると思います。
上下と下着を合わせて5~6セットは持っているでしょうか?
リピート性も高いことが予測できます。団塊の世代が70代になったことと
平均寿命が延びていることもあり、
今後はしばらく市場規模が安定、もしくは徐々に拡大していくと思いますので成長性も高いと考えます。
ターゲットキーワード「シニアファッション」は月間平均検索数は2400回とミドルレンジのキーワードで
あり集客力は中程度。
同じ高齢者がターゲットの場合でも「介護用パンツ」となると480回、他のキーワードでも1000回
ぐらいとシニアファッションよりも集客力が低くなります。消費期間は、実はあまり長くありません。
単価も3000円前後。
カテゴリが少ないので、専門店の場合キーワードの拡張性が低い。
この場合はシニアファッション等のカテゴリの1つとして品揃えすることが考えられます。
もしくは通常の下着の1カテゴリとして介護用パンツを品揃えするという選択肢もあります。
いずれにしても専門店にするのではなくてカテゴリの一つとして販売するか、
介護用品を数多く取りそろえる等の品揃え、カテゴリ展開可能な設計が重要となります。
このように「ターゲットの絞り込み」は、多角的な視点から分析していき、判断することが重要です。

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