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ネットショップ担当者が陥りがちな罠(3)ビジネスインパクトの小さな数字にこだわる
2020年8月8日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(3)インパクトの小さい数字にこだわってしまう?
ネットショップ運営は専門用語が数多くあり、重要度が高いものと認識されています。
たとえばSEOは、検索エンジンからの集客において非常に重要ですし、CPAやROAS、売上高広告費率は、
広告運用では指標として欠かせません。
こうした専門用語の一つに「かご落ち率」があります。
たとえば「カートに入ったユーザーの33.4%しか決済に向かわない、つまりかご落ち率66.6%」
といった具合です。
カートに商品を入れたユーザーの66.6%、つまり2/3はかご落ちしている計算になります。
これはかなり衝撃的な数字です。
かご落ち率の改善ができたら、相当売上UPできそうな感じがします。
しかし、このかご落ち率は実はビジネス・インパクトの小さい数字であり、改善には
2つの理由でEC実践会では消極的です。
一つ目は、かご落ち率は確かに重要な指標であり、ないがしろにするつもりはありません。
しかし、ではどうやって改善するか?というと、かご落ち率が高まる最も多い理由は
「決済直前で金額が大きくなってビックリして離脱した」というものなのです。
決済直前で金額が大きくなる要因は、送料と消費税、代引き手数料等が考えられます。
たとえば商品価格が3,980円だったとして、クール便の送料が1,300円、代引き手数料が330円(税込)だと
すると、カートに入れたときの商品代金は3,980円だったのですが、これらが加算されると、
なんと支払合計金額は6,008円になってしまいます。
これは実際に私が受講者さんの目の前で購入したときに起こりました。
店長さんを目の前にして危うくかご落ちしそうになったことを覚えています。
これは極端な事例ですが、このようにカートに入れた商品代金が決済する直前に上がってしまうと
ユーザーは急に覚めてしまい、買い物を辞めてしまうことが良くあります。
これは対策としては「税込価格にする」「送料込み価格にする」
「送料込みセットを用意して同梱してもらう」といった施策が考えられます。
しかし、他の部分はたとえばSAASを利用している場合ですと、店舗側で改善できるところは
かなり限定されていると思います。
せいぜい、決済方法にAmazonペイ等の楽ちんな決済方法を導入する等で、ユーザーの入力の手間や、
タップ数の軽減をする、ということぐらいだと思います。
二つ目の理由は、カートに商品を入れたユーザーの66.6%がかご落ちしている、と申し上げると
インパクトが大きそうに聞こえますが、実はその前にもっとビジネス・インパクトの大きい数字が
控えているのです。
たとえば、拡張eコマース機能を使ってユーザーのショッピング行動を分析するとわかりますが、
ネットショップへ来訪したすべてのユーザーの内、カートへ商品を入れるユーザーは全体の2.99%しか
いません。実に来訪ユーザーの97.01%はカートに商品を入れずにサイトを離脱しているのです。
カートに商品を入れたユーザーの66.6%、つまり2/3はかご落ちしている、というのは
この2.99%のユーザーの内の2/3である点に注意してください。これで転換率は1%です。
ですからビジネス・インパクトの観点から考えると、すべてのセッションの2.99%の2/3が離脱するのを
どうやったら1ポイント改善できるか?を考えるよりも、すべてのセッション、
たとえばあるネットショップでは月間14万4千セッションありましたが、
カートへ商品を入れたユーザーは4,300しかいませんでした。2.99%です。
この離脱した97.01%のユーザーをどうしたら1ポイント改善できるか?を考えた方が、
かご落ち率の改善1ポイントは、43セッション分ですが、すべてのユーザーの1ポイントをどうやったら
カートに向かわせて購入させるか?つまり全体の転換率を考えると、1440セッション分を購入者に
転換させることが可能となります。33.4倍のビジネス・インパクトとなるのです。
実際に以前にも説明したビッグキーワードで検索順位1位になっているインデックスページの転換率を
0.02%から0.23%に改善することで倍率11.5倍、客単価もアップしたので
月間100万円の売上UPにつながったのです。