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EC担当者が陥りがちな罠(6)手法が目的になってしまっていないか?

2020年8月29日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■EC担当者が陥りがちな罠(6)手法が目的になってしまっていないか?

EC実践会でもネットショップ運営における「手法」を数多くお伝えしています。
それらの中には即効性の高い手法も含まれています。
しかし、それはあくまで「戦術」「戦略」があってこその手法であり、手法を行うことが
目的になっては本末転倒になってしまいます。
たとえば同梱物に「手書きのメッセージを添えましょう」というのがあります。
ある型番商品のセレクトショップさんは、ネットショップでの買い物はどうしても
「無機的」「事務的」になってしまう傾向があり、当時インターネットモールのみの出店だった
そのショップの店長さんは、このままでは他のショップに埋もれてしまう。
なんとかお客様の心の「引っかかり」を作ることはできないだろうか?と考えていたそうです。
そのとき思い出したのが年賀状だそうで、最近はみなさんパソコンで綺麗なビジュアルを作成して、
宛名もタックシールで出力したものがほとんどですよね。
そんな中、手書きの毛筆の年賀状があったんです。
これがめちゃくちゃ目立っていて、嬉しかったことを思い出しました。
そこで「これだ」と思い、手書きのメッセージを入れることを思いつきました。
それでどんなことを書いたらよいか?と考えていたのですが、どうせだったらお客様を表彰してしまったら
どうか?と考えて「感謝状」を贈ることにしました。
これが好評でリピーターが増加したとのことです。
この事例をEC実践会ではお伝えしているのですが、あくまで目的は「リピーター集客」です。
ところがこの手法にこだわってしまい、リピート性が低い商材のショップさんが
「手書きのメッセージを同梱しているのですが、結構大変なんです。継続した方がよいでしょうか?」
と相談されました。このショップさんはお客様によかれと思って手書きのメッセージを
継続されていますが、リピート性の低い商材ではリピーター集客手法である手書きのメッセージを
同梱しても効果は限定できだと思います。目的あっての手法なのですが、
どうやら手法を目的化してしまっているようでした。
SEOも同様で、たとえばtitleタグやhタグはページに何が書いてあるか?を伝える重要なタグです。
また複数ページの改修を行った場合やブログ記事をいくつも更新した場合は、
Google Search Consoleからサイトマップの送信、再送信を行うことも重要な手法です。
サイトマップの送信はあくまでGoogleに更新内容や新しいコンテンツのURLを伝えることで
Googlebotにクロールを促すことが目的です。つまりSEOです。
しかし、たとえばmeta descriptionタグなどの重要なタグではありますがSEOには直接関係の無い
(と思われる)タグを更新したときや細かいh3タグを修正したときにまでサイトマップの送信を
行う必要があるか?といえばそこまでの必要性は感じません。
しかし、ここでも手法が目的になってしまい「どんなことでも、少しでもページを修正したら
サイトマップの送信を行わなければならない」と思ってしまうケースもあります。
あくまでSEOに効果的な改修や追加の場合にサイトマップの送信は行うのが通常の使い方であり、
サイトマップの送信、再送信を行うことがSEOに効果的な訳ではありません。
あくまで手法は目的があってのものであり、手法が目的にならないように注意しましょう。

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