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外部環境分析 4事業経済性その2「規模の経済」
2021年4月11日| Webマーケティング, You Tube, マーケティング戦略策定基本プロセス■外部環境分析(4)「事業経済性」その2「規模の経済」
2)規模の経済(スケールメリット)
規模の経済性とは、事業規模が大きくなればなるほど、単位当たりのコストが小さくなり、
競争上有利になるという効果。コストリーダーシップ戦略をとるリーダー企業にとっては特に重要なコスト低減の方法です。
規模の経済性は、狭義には、固定費が分散されて、単位当たりのコストが下がるという
メカニズムを指す。バリューチェーン上で言えば、研究開発費や広告費に規模の経済性が働きやすい。
たとえば、「スーパードライ」発売以前のアサヒビールは、キリンビールの6分の1程度の売上げしかなかったにも
かかわらず、キリンの70%程度の広告費を必要としたといいます。
研究開発費がコスト上重要な位置を占める製薬業界では(2019年度の研究開発費は、
業界トップ企業は2000億円から3600億円を投じているようです)、国境を越えたM&Aによって、
この規模の経済性を実現しようとしています。
規模の経済性は、より広義には、固定費の分散のみならず、バイイングパワーの強化による仕入れコストの低減も含みます。日本で家電販売首位の座を占めるヤマダ電機などは、この大量仕入れによる売上原価低減を大きな武器として
急成長しました。
というのが通常「規模の経済」の説明になりますが、「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」では、
企業のバリューチェーンにおいて、それぞれのセクションで規模の経済を効かせることで「差別化」を実現している
事例を説明しています。
先ほど「スーパードライ」で説明した研究開発費や広告費は売上が上がるほど、1製品当たりのコストが
安くなることはわかりやすいと思います。
それ以外では原料調達や製品仕入で輸入をする場合、同一コンテナでは極端な話、1個を輸送しても満載でも
輸送コストは変わりませんので、輸送量が増えた方が規模の経済は効きやすいと言えます。
サポートにおいても、規模の経済によりサポート体制・チーム自体は固定費となりますので、
1製品あたりのコストが安くなることになります。
ただし、「事業経済性」その1で説明した、稼働率をどう上げていくか?
KPIの設定と品質向上のトレードオフの解消が重要な課題となります。
ただし、コストリーダーシップ戦略は、基本強者の戦略になりますので、
弱者は特定の分野における狭いターゲットを対象に、特定領域を規定し、
そこで規模の経済を実現していきコスト優位性を確立していくことが重要です。
間違っても、強者がコストリーダーシップ戦略で低価格を仕掛けてきたとしても、
それに安易に追随するのは利益率の低下を招くだけになってしまいますので注意が必要です。
また、ネットショップにおける労働集約的な業務、たとえば配送業務や商品撮影等は、
機械化等の効率化が難しく、人件費率が高いため、規模の経済は効きにくいとされています。
ここにシステムを導入したり、アウトソーシングを導入することで稼働率の経済から
規模の経済にシフトすることが可能となります。