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ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:玄米・雑穀米店
2015年12月22日| ランチェスター戦略出来る限り当日出荷サービスや、手書きのメッセージで共感を創出、
リピート率が2倍になった玄米・雑穀米・白米のお店をご紹介したいと思います。
このお店は創業百数十年の伝統ある米穀店です。
ところが店舗のある地域は過疎化が進み、年々人口が減っているそうです。
人口が減少する、ということはお米を食べる人の数が減る、ということ。
お米屋さんにとっては致命的な現象です。
そこで商圏の拡大を、ということでインターネットショップをスタートさせました。
インターネットモールに出店したのはいいのですが、なんと1年間で売れたのは
お試し商品たった1個。
しかも単価は500円のお試し玄米セットだったそうです。
そのインターネットモールは数千万人のユーザーが登録しています。
つまり数千万人の人通りがある訳です。
その人通りがある中で「年商500円」しか売れない。
店主さんは悩みました。
実店舗だったら人通りが集客になります。
たまたま通りがかって興味をもって入店する、ということがあるからです。
ですから人通りの何割かは来店を見込めます。
しかし、インターネットはたまたま、もしくはフラフラと偶然入店するユーザーが
基本的には存在しません。
店舗にアクセスするには検索結果の説明文かバナーを見て、ここ面白そうだな、
とかここの商品を見てみたい、というユーザーの明確な意思が必要になるのです。
ですから興味をもたれないショップにはアクセスしません。
実店舗はフラッと入れます。
ここに実店舗とインターネットショップとの集客における決定的な違いがあるのです。
「年商500円」はそれを如実に物語ってしまいました。
そこで、打開策としてしっかりと店舗の伝統と商品の良さを
アピールすることにしました。
その甲斐あってだんだんと売れてきました。
しかしここでまた問題が起こります。リピート率の低さです。
お米、玄米、というリピート性の高い商材を扱っているのにも関わらず、
店舗のリピート率は20%弱。
ここを上げていかないと売上アップは見込めません。
そこで店主さんが考えたのは接客の質をあげる、というものです。
とは言っても小さな街のお米屋さん。特別なことができる訳ではありません。
<成果のポイントは?>
そこで、
・できる限り当日の注文に対して当日発送を心がけました
・小さな便せんに筆ペンで手書きのメッセージを同梱することにしました
お米は毎日食べるものです。
しかし重量のある商品でもあるので通販向きともいえます。
さらに、自宅の在庫に余裕があるときに買い足す、ということはあまりせず、
どちらかというと、ある日の夕飯の支度をしていて「あ!お米が今日の分しかない!」
ということになって慌てて購入する、というケースが多いのではないでしょうか?
そういう意味においてできる限り当日出荷して差し上げる、
というのは非常に顧客視点のサービスと言えると思います。
するとユーザーの反応に変化が出てきたのです。
お客様の声の数がどんどん入るようになってきました。主力商品ではなんと5000件
を超えるユーザーレビュー数となりました。
そしてその結果リピート率は40%を超えるようになっていたのです。
さらに、客単価も上がりました。
20%以下のとき、主力商品は4000円の玄米3パックセットでした。
それがリピート率40%を超えるようになると、
なんと主力商品が12000円の10個パックになっていたそうです。
12000円の方が割引率が高いのでリピーターさんにとっては10個買った方が
お得で便利だからです。
リピーターが増えた結果、まとめ買いのユーザーが増えたことによって
客単価が3倍になった、ということです。
「年商500円」だったお店は丁寧な接客とリピーター獲得によって、
気がついたら月商1500万円を売り上げるようになっていました。
※手書きのメッセージですが、この施策は確かに効果的です。
しかし、人手を要する施策であると同時にオペレーションも煩雑になります。
あくまで手書きにこだわっている店舗もありますが、正直かなりしんどい作業となります。
実際にこの米穀店さんは、月商300万円ぐらいが限界だったそうです。
できるだけ当日出荷を行う、という施策と、手書きのメッセージを全員に挿入するという施策は、
実はトレードオフの関係にあります。
そこで、現在推奨している施策は、
・お礼状は基本、手書きをコピーもしくは印刷したものを使う。
・お客様の名前の部分だけを手書きで書く。
という作戦をおすすめしています。
これでしたら作業の負担もだいぶ軽減されますよね。