ランチェスター法則による1位作りの財務戦略
弱者の戦略原則を応用すると財務対策は意外に解りやすくなる。資金配分と経費配分の原則を体得すると、あなたも財務名人に。
中小企業では社長の9割が、簿記や会計を「ニガ手」としています。でも安心して下さい。営業的な考え方で大事なポイントをいくつかマスターすると、意外に早く財務が解ってきます。この教材はランチェスター法則をもとにして、これまでの簿記や会計にはない新発想で財務戦略を開発しました。
1.まず財務における戦略と戦術の違いをマスター
営業活動に戦略と戦術があるように、財務にも戦略と戦術があります。ところが財務における戦略と戦術を、きちんと説明している本がないのでこの2つは「ひどくあいまい」になっています。
財務戦略とは自己資本率、従業員1人当たりの自己資本額、競争相手との力関係の3つを考えた上で、限りある資金や限りある経費を、何と何に対して、いくらずつ配分すると、経営力や営業力が最も強くなって業績が良くなるか、この「見究め方」になります。簿記や会計は戦術ですから従業員に任せるべきですが、戦略は社長の担当になるので社長は戦略の研究をして、この見究め能力を高めなければなりません。
2.強者の財務戦略と弱者の財務戦略をマスター
商品対策や営業対策には、1位で一定の条件を満たした会社だけが実行できる強者の戦略と、この条件を満たしてない会社が実行しなければならない弱者の戦略の「2種類のやり方」があり、その内容は全く異なっています。
資金の配分や経費の配分にも、一定の自己資本条件を満たした会社だけが実行できる「強者の財務戦略」と、条件を満たしてない会社が実行しなければならない「弱者の財務戦略」の2種類があり、2つの内容は全く違っています。
もし本来弱者の財務戦略で経営しなければならない会社が、間違って強者の財務戦略で経営すると、資金繰りが狂ってひどい結果になってしまいます。ところが従来からある簿記や会計にはこの区別がないばかりか、会計原則は大会社用に作られているため、強者の財務戦略を実行して失敗する社長がとても多くなっています。
3.安全ラインと危険ラインをはっきり示す
実際に経営をする社長にとっては、自己資本率がここ迄低下すると危険性が高くなるとか、固定資産を自己資本で割った「固定比率」が、これ以上高くなると危険度が高くなって倒産するなど、はっきりした「数値目標」が必要になります。
これ迄の経営分析にはこれがなかったのですが、ランチェスター法則の応用でこれが可能になりました。安全ラインの数値を頭に入れて経営すると、思わぬ失敗が防げるようになります。
この教材は従業員100人以下の社長に焦点を当て、営業的な発想でまとめているので、簿記や会計がニガ手な人でも「財務戦略の基本」がマスターできるようになっています。
利益性を高め、競争力がある財務内容にする弱者の財務戦略CD
第1章 経営の基本原則と経営の全体像
- 経営の全体像をはっきりさせる
- 経営を構成する要因とウエイト付
- 利益性の原則をはっきりさせる
- 中小企業の利益実態
- 実行手順をはっきりさせる
- 実行手順と経営全体のウエイト付
- 経営全体のウエイト付
- マルクスの価値公式が教えるもの
第2章 財務における強者と弱者の区分
- ランチェスターの法則
- 財務分析の構造的な欠陥
- 何を基準にして強者と弱者を区分するか
第3章 強者の財務戦略
- 強者は総合1位主義を狙う
- 強者は重装備な資金配分をする
- 強者は新商品開発に多くの資金を投入する
- 強者は弱者が新商品を出したらすぐ対応する
第4章 弱者の戦略原則
- 経営の目的は強いもの作りや1位作りに定める
- 弱者は強い会社を攻撃目標にしない
- 弱者は大きな会社と違ったやり方の差別化をする
- 弱者は小さなもので1位になることを目ざす
- 弱者は目標の範囲を狭くする
- 弱者は重要な目標に対しては資金と経費を集中して配分する
- 弱者は軽装備を守って動きを早くする
- 弱者は小さな成功で調子に乗らない、社長の生活内容を変えない
第5章 弱者の資金戦略
- A.資金調達の方法
- B.資金配分の方法
- 資金配分が必要になる対象
- 必要な項目に対する資金配分の仕方
- 資金配分のチェックをする
第6章 弱者の経費戦略
- 経費配分の目的をはっきりさせる
- 経費の配分比率は業歴で変わる
- 従業員の配分割合によって決める
- 1位作りを目標に経費を再配分
- 営業簿記の実行が1位作りに不可欠
- 結果は経常利益に現われる
- 損益分岐点利用の利益増加計画
- 利益と自己資本のマトリックス
第7章 経理のコストダウン対策
- 経理作業を合理化する
- 資金繰りの仕事を少なくする