商品や営業に戦略と戦術があるように、会計にも戦略と戦術がある。
社長は会計係になるのでではないので、社長は戦略を担当すればOK。
しかし会計の戦略を理解するには、最低限の簿記知識が必要になる。
1.実際に経営をして業績を良くするには
実際に経営をして業績を良くするには、自社の経営規模と競争相手との力関係、それに戦略ルールの3つを考えた上で、次のことを決める必要があります。
①どの商品に力を入れ、商品の幅はどこ迄にするか。
②この商品はどこの地域に力を入れて販売し、客層の範囲はどこ迄にするか。
③この商品はどの客層に力を入れて販売し、客層の範囲はどこ迄にするか。
④これらの3つに対して、どのような方法で新しいお客を作るか3種類以上。
⑤一度取引したお客はどうやって維持し、お客の流出を少なくするか。
⑥仕事に対する人の配分と役割分担、それに従業員教育と処遇はどうするか。
⑦資金の配分と経費の配分をどのようにすると、経営力が最も強くなるか。
2.これらの決定を、経営システム作りと呼んでいます。
これらの決定を、経営システム作りと呼んでいます。経営システムとは、粗利益を作り出す機械装置、または経営プラントと考えて下さい。
しかし経営システムは形がないばかりか戦略もつかみ所がないので、はたして自分が作った経営システムが、同業者よりも上手につくられているかどうか、全く解りません。これをつかむ唯一の方法、それが利益になります。ドラッカー。
3.もし従業員1人当たりの年間純利益が業界平均の2倍以上出ていれば
もし従業員1人当たりの年間純利益が業界平均の2倍以上出ていれば、社長の経営システムを作る実力は同業者100人中5番以内にいると見てよくなります。
逆に1人当たりの純利益が業界平均の3分の1以下であれば同業者100人中20番以下にあり、赤字が2期以上続いていれば40番以下にいると考えるべきです。つまり利益は、社長の経営実力を客観的に示す何よりの証拠になるのです。
4.仮に業績が思わしくない場合
仮に業績が思わしくない場合、どこに本当の原因があるか、これをつかむのに役立つのが、決算書など経営データの分析になります。しかしこのとき、社長に簿記の知識がなかったら、業績不振の本当の原因がどこにあるか全くつかめません。これでは経営改善に取り組んでも的はずれの所に手をつけるので、事態を余計悪くし場合によっては倒産します。
5.こうならないために欠かせないのが、最低限の簿記知識
こうならないために欠かせないのが、最低限の簿記知識を身につけることになります。もちろん社長は会計係にはならないので、3級や2級の資格を取る必要はありません。これに役立つのがこのDVDで、営業の発想で作っているのでとても解りやすくなっています。
1章 会計における戦略を理解
- 経営を構成する大事な要因
- 利益性の善し悪しが決まる利益性の要因
- 会計の戦略を理解。会計にも戦略がある
- A.資金調達の戦略
- B.資金配分の戦略
- C.経費戦略
- 2種類の戦略
- A.強者の戦略
- B.弱者の戦略
- 財務分析でチェック
- 経営システム作りの善し悪しは利益で測定
- 5業種の経営データを知る
2章 簿記3級をマスターする
- 会計の戦術を知る
- 複式簿記を知る
- 減価償却の制度を知る
- 経費にできる支払いと、経費にできない支払い
- 利益は出ているのに税金を払う金がない。化けている。
- B/S P/Lの科目を覚える
- 社長が簿記に詳しくなると役立つこと
簿記が解らない場合、このようなことが起きる
1.利益は出ているのに、税金を払うお金がない。なぜお金が足りないのか。
2.借入金を返済したので、今期は利益が多くでるはずだ。
3.社長が仮払金を持出したあと精算をしないので、仮払金が何件もたまっている。
4.集金に行ったときに値引をしたり値切られたものを、そのあと値引の伝票を書かないので、売掛金の残高が販売先と合わない。
5.経営はとても厳しいと営業マンを説教するばかりで、きちんとした根拠を数字で示さないので、営業マンは社長が言っていることが理解できない。
6.社長が簿記が解らないと、会計係や営業マンの使い込みがあったとき、発見が遅れるので使い込みの金額が多くなる。
※中小企業の社長で簿記3級が解る人は、10%~15%だそうです。